今回、訪れたのは新潟県。
お米や日本酒をイメージする新潟県ですが、実はラーメンでも有名なんだとか。
神奈川からレンタカーを走らせ、到着したのは新潟市西蒲区角田浜にある海水浴場。正面には佐渡島を望むことができ、背後には角田山が広がります。
新潟市郊外の保養地として有名らしく、地元民はもちろん観光客で賑わいます。複数の浜茶屋が立ち並んでおり、そのうちの一つがラーメン屋「なみ福」。
日々疲れたカラダを、風光明媚なロケーションと至極の一杯で疲れを癒します。
義経が頼朝からの追手を逃れ、身を潜めた「判官舟かくし」と呼ばれる洞穴
角田浜に到着したのが早く、お目当ての「なみ福」は残念ながら準備中。人気店ということもありAM10:30に整理券が配布され、AM11:00に開店ということでOPENするまでの間、近くを散策してみることに。
佐渡海峡を渡る船の重要な道標となる角田崎灯台を目指します。
道中には源義経が兄頼朝の追手を逃れ、身を潜めたと言われる洞穴が。全長は数十メートルと短い洞内は、ひんやりと涼しく、夏の暑さを忘れさせます。
洞穴を抜けると日本海の荒々しい波が打ち寄せます。足元に注意しながら進み、振り返れば「判官舟かくし」と呼ばれる洞穴が。
整備されているものの、足元はゴツゴツとしています。注意しながら先に進むと、洞穴の真上には角田崎灯台が見えてきました。
階段を登り角田崎灯台まで登ると、角田浜海水浴場が目に入ります。都会ではあまり感じられない素敵な絶景に、まるで時が止まったように錯覚するほどです。
ひとしきり景色を堪能した所で、下山することに。帰り道は角田山の登山コースということもあり、多くの登山客が行き交う道をお互いが譲りながら道を進みます。
浜茶屋文化を継承する「なみ福」の想い
ふと時計に目を向けると時間はAM10:15。今回の目的だった「なみ福」に向かいます。
そもそも、「なみ福」を目的地に選んだのはオーナーが関係しています。
「なみ福」を手掛けたのは、パンクロックバンド「Hi-STANDARD」のVoを務める難波章浩さん。自分の青春時代を彩ってくれたバンドの一つで、現在でもよく聴いています。
なみ福が開業されたのは2022年のことで、新潟特有のあっさり醤油ラーメンが看板メニュー。また浜茶屋文化を守りたいという想いから、角田浜海水浴場に開業したんだとか。
全盛期には20〜30ほどの浜茶屋が角田浜に軒を連ね、リゾート地として賑わいをみせていました。残念ながら現在では、後継者不足などの理由からその数は減少傾向に。
そして築50年の浜茶屋「おとひめ」を譲り受け、リノベーションされた「なみ福」が誕生します。
ノスタルジックな雰囲気を感じさせる外観は、浜茶屋の面影を残しています。地元が福井県の港町ということもあり、個人的にはどこか懐かしさを感じさせてくれました。
まちにまった至極の一杯
整理券を受け取りに店の前に。
すでに多くの方が列をなしており、人気店ということが伺えます。当日は「FUJI ROCK FESTIVAL ’24」が開催されていたということもあり、ライブキッズもちらほら。
無事に整理券を受け取り、AM11:00いよいよ入店。
店内にはスイーツやドリンクが販売されているカフェが隣接されており、Tシャツなどのオリジナルグッズも並んでいます。天井には「なみ福」の想いでもある浜茶屋文化の継承に協賛する、さまざまな企業の提灯が吊るされています。
ラーメンの食券を購入し、テーブル席に。
店内はどの席からも日本海を一望できる作りになっており、天気が良ければ佐渡島も見えるんだとか。
当日は残念ながら曇り空だったこともあり佐渡島をはっきりとは見れませんでしたが、広々とした日本海を望みながらラーメンの到着を待ちます。
数分後、待ちに待った一杯が目の前に。
透明感あふれるスープと細麺とチャーシュー、メンマ、そしてネギがトッピングされシンプルな仕上がりに。これもまた、どこか懐かしさを感じつつもこだわりを感じた一杯でした。
夏風をはらみながら散策する角田エリア
「なみ福」のカフェで購入したコーヒーを片手に、夏の風を感じながら角田浜海水浴場を散策することに。
時間は昼を過ぎていることもあり、多くの海水浴を楽しむ方で賑わいます。現在では少なくなった浜茶屋が点々とあり、のんびりとした時間が流れます。
当初の目的は一杯のラーメンを食べることでしたが、結果的には淡い青春時代を思い出し、広大な自然や古き良き文化を継承する想いに触れられたひと時でした。
今回の出来事は、自分の心に深く刻まれ輝き続けてくれるでしょう。