早いもので、もう3月が終わってしまいました。
当初は少し穏やかな時間になると思っていましたが、新年度に向けた準備が水面下で進み、予想以上に動きの多い日々となりました。
決して派手な変化はありませでしたが、実際には組織の内側では様々な変化が少しずつ形作られ、新たな出発に向けた準備が着々と進んでいたように感じます。
目に見えない変化こそが、後になって重要な転機だったと気づくことがあります。
実感できた成長
まずは組織として成長を実感できたトピックから振り返ってみます。
1. 記事コンテンツを平日毎日更新(3ヶ月連続)
3ヶ月連続で平日の毎日更新を達成することができました。組織として記事更新の習慣が確かな形で根付いてきたことを実感しています。
引き続きDiscoverからの流入が多く、予想以上のアクセス数を獲得することができました。
プロジェクト開始時は冗談めかして「前年度比1000%を目指そう」などと笑って話していましたが、結果として1月は765%、2月は813%、そして3月には驚異的な4822%という前年比を達成することができました。
前年度が比較対象として非常に低い水準だったことを割り引いても、こうした継続的な成長曲線は組織としての取り組みが実を結んでいることの証左であり、非常に意義深い数字だと考えています。
日々の地道な更新作業が顕著な成果として現れると、努力が報われる喜びを感じますね。
2. 「継続」という文化
これまで準備を重視する風土の確立や、学習時間の確保などを意識的に進めてきましたが、その取り組みを継続する中で、それらが組織の基本姿勢として自然に定着しつつあると感じています。
何かを始めて持続させることの難しさは予想以上であり、正直なところ過去には複数の取り組みが途中で立ち消えになることもありました。
定期的な記事発信、勉強会の実施、打ち合わせ前の準備の徹底、クライアントプロジェクトに関わる前に最低三冊の本を読むといった実践が、組織内に少しずつ根付いてきているように思われます。
「当たり前のことを当たり前以上にやろう」という考え方をメンバーと共有してきましたが、その「当たり前」の基準自体が徐々に高まっていることを実感しています。
もちろん、現状に満足できるレベルには至っていないため、引き続き向上心を持って取り組んでいきたいと考えています。
日々の小さな積み重ねが組織文化として形となり、それが私たちの仕事の質を高めていくという好循環が、静かに、しかし確かに形作られているように感じています。
次の一歩に向けて
組織をより良くするために、全員が意識して取り組んでいきたいと感じた点を振り返ります。
1. リスク管理の感度向上
プロジェクト進行において「リスクの洗い出し」をより徹底すべきだと強く感じています。
これまで私たちはお客様のプロジェクトを前進させる、ある種「攻め」的な姿勢に意識を集中させてきましたが、そのバランスとして、プロジェクトを安全に遂行するという「守り」の視点を強化する必要性を実感しています。
成長段階にある組織は往々にして成果創出に意識が向きがちですが、持続的発展を実現するためには、潜在的リスクに対する感度を組織全体で高めることが不可欠です。とりわけ創造性を重視する環境では、しばしばこの「守り」の側面が軽視される傾向があるように思えます。
私たちが直接担当していない領域であっても、プロジェクト全体に潜むリスクを的確に特定し、それらを事前に回避するための方策を講じる事。これは真の意味でのプロフェッショナリズムなのではないかと思うのです。
そのために、まずはプロジェクト開始前のリスクチェックリストの策定と明文化を組織的な実践として定着させたいと考えています。
こうした取り組みは一見すると余分な工程のように思われるかもしれませんが、リスク感度の高い組織文化は創造性と安定したサービス基盤を支える強固な土台になると確信しています。
2. 専門性の深化
弊社では編集、ウェブデザインなどの業務をメインとしていますが、撮影、SNS、広告、分析などの業務をご依頼いただくことも珍しくありません。
自身がプロである領域に隣接する領域に関しても、当然ご依頼いただく以上はプロフェッショナルとしての品質を提供しなければなりません。
多岐にわたる領域に対応できる柔軟性、それ自体は現代のデジタル環境では大きな価値を持ちますが、同時にそれら専門性の深化という点では課題も生じています。
簡潔に言えば、器用貧乏に陥りたくないのです。
求められる業務全てにおいて常に技術レベルを向上させていく必要性を感じながらも、どこか現状維持にとどまってしまっているような、停滞しているような、もどかしい感覚があります。
この「広く浅く」という状態は、多くのクリエイティブワーカーが直面するジレンマなのかもしれません。
今、必要なのは「どの領域のどの力を高めるべきか」「その力を磨くために何をすべきか」という観点をより明確に持つことではないかと思うのです。
市場では現在どのような専門性がどのように求められているのか。そして今後はどのように進化していくのか。これらの問いに対する答えを常に更新し続けることが重要です。
求められている専門性に対して学習を徹底的に行うこと、その継続的な実践が唯一の道なのかもしれません。
改めて「新しい技術」や「今までなんとなく出来てしまっていたもの」を見直し、より厳しい目で捉え直したいと思います。
3. 行動、インプット量の不足
行動量、インプットとは様々な業界のプロフェッショナルと意見交換し自己研鑽することや、書籍や手を動かすなど学習する量などを指します。
慌ただしい毎日の中で日々の業務だけをこなしていると、質的な成長のための時間が確保できないという悪循環に陥りやすく、プロフェッショナルとしての成長は間違いなく停滞してしまうと思うのです。
より高品質な仕事をするために学習が必要なのに、作業に忙殺されて学べず、他領域のプロフェッショナルとも交流できない。そしてインプットがないため効率が上がらず、さらに忙しくなる。
この悪循環から抜け出すためには意識的な行動変容が不可欠だと感じました。
特にクリエイティブ領域の業界では、日々の業務こなすだけでは、いずれ時代の変化に取り残されてしまう危険性があります。事実、テクノロジーの進化、表現手法の多様化、消費者行動の変化など、環境の変化は加速の一途を辿っています。
こうした変化に適応し続けるためには「意図的な学び」を習慣化する必要があることは言うまでもありません。プロフェッショナルとしての成長曲線は、日々の小さな行動の積み重ねによってのみ描かれるためです。
一日一時間でも質の高いインプットの時間を確保することで、一年後、五年後には圧倒的な差となって現れてくるでしょう。
そして、業界を牽引するプロフェッショナルたちはまるで息をするようにインプットを行っています。私たち自身の行動はまだまだ甘いということを強く認識したいものです。
2025年4月の動き
新年度の到来とともに、様々なプロジェクトが本格的に動き始めます。
この節目に際し、私たちが心がけるべきは「一つ一つのプロジェクトをプロとしての矜持を忘れず丁寧に進めていく」という基本的な姿勢でしょう。
時間をかけてでもリスクを綿密に洗い出し、そのプロジェクトに求められる学びは何かを明確に理解した上で前に進んでいく。この地道なプロセスこそが、お客様のプロジェクトの質を高め、価値を創出する基盤になると考えています。
新たな年度の始まりに当たり、初心を忘れることなく、プロフェッショナルとしての専門性をさらに深めながら、一歩一歩着実に前進していきたいと思います。