雨上がりの街には、独特の空気が流れています。
湿った風が運んでくる緑の匂い、水に濡れた石畳の質感、曇り空が作り出すやわらかな光。そんな雰囲気に誘われて、今日はのんびりと街を歩いてみました。
梅雨の時期はなんとなく気分が塞ぎます。
仕事の時はなるべく元気を装いつつ、休日など一人の時は無理に空元気をせず、気温や天気に逆らうことなく気の向くままに。
雨が止んでからそんなに時間も経っていないので、草木には可愛らしい水滴がついています。
蒸し暑い空気が立ち込めていますが、こうして眺めているだけでどこか涼感を感じますね。
ゆっくりと歩いていると、普段は気にもしなかったものが目につくこともあります。
ドレンキャップから生えている雑草って、健気で可愛いなと今更ながら思いました。
雨上がりの水たまり、良いですよね。
子供の頃は長靴でチャプチャプと踏んでいくのが好きでしたが、30過ぎの男性は人目を憚るので、こうして近づいてシャッターを切るので精一杯です。
いつもとは違う道を通ってみたくなることもあります。
濡れた石畳が、空の断片を映しながら光っています。
じっと眺めていたくなる気持ちを抑えて。
晴天であれば腰を掛けてひと休みできるベンチも、雨の日は臨時休業。ひたすら歩くほかありません。
濡れた街角に咲いている花たちも綺麗です。
雨上がりは、普段であれば気が付かないような存在にスポットライトを当ててくれているような気がします。
空を劈くように聳える、ジャックの塔
どっしりと構える、キングの塔
横浜らしい建物たちが見えてきました。
ジャックの塔とキングの塔です。
小学校の頃、先生たちに連れられて遠足に訪れた時の記憶がふと蘇ります。
晴天であれば賑わう銀杏並木通りも、曇天の日は人通りも少なめ。
そろそろ腰掛けたい気持ちなのですが、ここのベンチもびしょ濡れなので我慢です。
洋菓子の老舗、「横浜 かをり」が見えてきました。
生い茂った蔦に包まれた老舗の佇まいが、まるで自然の一部のように街角に溶け込んでいます。
元町のショッピングストリートが近くなると、気持ちがホッとします。故郷に帰ってきたような安堵感です。
いわゆる観光名所は避け、人通りの少ない路を選びます。
曇天は自然とゆっくりとした歩調を促してくれるので、普段は見過ごしてしまう小さな発見に出会えました。天気に関係なく、街歩きにはそれぞれの良さがあるものです。
小洒落た飲み屋さんが甍を争うリセンヌ小路が見え、駅も近くなってきました。
本日はこの辺りで。