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慣れ親しんだ街で見つけた「特別」

連休は何かと気持ちがそわそわして落ち着きません。

せっかくだから遠出をしてみたいと思う一方で、足取りは鉛のように重く、最寄りのコンビニエンスストアで虚しく限界を迎えます。そんなフットワークの重い私ですが、今年の3連休は「どうすれば地元で穏やかに過ごせるか」を考えてみました。

自分なりのとてもささやかな挑戦です。

観光地としての横浜への苦手意識

あまりこのようなことを大っぴらに言うと煙たがられてしまうのですが、生まれてこの方、横浜市外で暮らしたことがありません。

地元も横浜、勤務地も横浜。それゆえに、自分の住んでいる街についてそこまで深く考えたことはありませんでした。恵まれているのか、井の中の蛙なのか。

本音を言ってしまうと、いかにも「横浜」らしい観光スポットが少しだけ苦手だったのも事実です。休日にはたくさんの人が集まるため、喧騒のど真ん中で過ごすことになります。

とても賑やかなのに、通りすがる人と人の間につながりはなく、そのギャップが少し寂しくもありました。なので、休日も少し人通りの少ない場所を無意識のうちに選んでいたように思えます。

自宅から徒歩でも行ける観光地のホテルに宿泊する

本当は箱根や湯河原へ行こうと思っていたのですが、希望の宿が取れませんでした。自分の計画性の低さ、見通しの甘さを恨んでいます。

ならばいっそ、振り切って地元に泊まってしまうのはどうかと考えました。

予約したのは自宅から30分ほどで到着する小さなホテルです。

当然ながら、行く道道の特別感も一切ありません。会社へ行く時と変わらない気持ちです。なぜ自宅から程近くの場所にお金を払って宿泊するのでしょうか、何もわからないままとにかくチェックインを済ませます。

なんて綺麗な景色なのでしょう。

山下公園を望む素晴らしい眺望。遮るものも一切ありません。見慣れた景色のはずなのに、なぜかいつもとは違った「非日常」な感覚に襲われます。

近所の一流ファストフードの最高級ハンバーガーと趣向を凝らしたフライドポテト(シャカシャカポテト)でお腹と心を満たし、ホテルへ戻ります。

「夜はルーフトップテラスからの景色が綺麗ですよ」

そんなことを言われたら、行くしかありません。まずはロビー付近のバーカウンターで大量のハートランドビールとつまみを購入しました。これは長期戦の構えです。

3時間くらいはテラスで過ごしていたと思います。夜景を独り占めしている感覚がとても幸せで、お酒も進みます。

夜景を望んだあとは、自室へ戻りそのまま就寝。少し厚みのあるベニヤ板と評される敷布団で寝ている私にとっては、ホテルのベッドまでもが特別な「非日常」でした。

平日はこのまま布団から出ずに一生を過ごしたいと強く願う私ですが、この日ばかりは軽やかに起床。

二回目となりますが、なんて綺麗な景色なのでしょう。「カレンダーとかになってるやつだ!すごい!」と、32年の人生で培ってきた豊富な語彙を活かして自らの感動を情緒豊かに表現。

チェックアウトしたくない、ここで暮らしたい。

宿泊後に見る景色はいつもとやはり少し違いました。暑さは厳しいですが、自宅への足取りは少しだけ軽やかです。

灯台下暗し

苦手だった「観光地としての横浜」を改めて見直してみる良いきっかけになりました。自分の住んでいる街の良さには意外と気づかないものです。

横浜で生まれ、横浜の会社で働く私ですが、自分の働いたお金を地元で使う「地産地消」な過ごし方の良さに気づくことができたのは本当に良かったと思っています。

今度はもっと人通りの少ない平日にこっそり来てみたいものです。

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Ryota Kobayashi