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2026年1月のSEOニュース

2026年1月のSEO界隈は、大きく2つの変化が重なって見えた月でした。

ひとつは、Google検索で順位の揺れが断続的に観測され、現場が落ち着きにくい状態が続いたこと。もうひとつは、AIによる要約や対話型の検索が広がり、ユーザーの情報収集の入口や、クリックに至るまでの流れが少しずつ変わり始めたことです。

この記事では、1月に話題になったSEO界隈の動きを整理します。

2026年1月のGoogleアップデートと検索の変化

2026年1月は、Google検索の順位変動が上旬から下旬にかけて断続的に報告された月でした。背景には、2025年12月に実装されたアップデートの余波が影響している可能性が指摘されています。

単発の大きな変動というより細かな調整が繰り返された月だったと見るのが自然で、現場にとっては落ち着かない一か月だったと言えます。

参照サイトは以下の通り。

ユーザーの37パーセントがAIツールから検索を開始との調査

Eight Oh Twoの最新調査では、ユーザーの37%がGoogleではなくAIツールから情報検索を始めていると報告されています。重要なのは、「検索がAIに置き換わる」ということではなく、情報探索の入口が分散している点です。

入口が分散すると、比較検討の多くがサイト外で進み、ユーザーは最後の確認だけをサイトで行う傾向が強まります。その結果、ブランド説明の分かりにくさ、情報の古さ、実績の見えにくさ、そして価格・住所・営業時間といった基本情報の不正確さが、AI段階での候補落ちにつながりやすくなります。

これからのSEOは単に検索結果で上位を取ることにとどまらず、AI経由も含めて選ばれる確率を高める設計へと広がっていく必要がありそうです。

参照サイト:https://searchengineland.com/consumers-start-searches-ai-not-google-study-467159

AI検索時代でもSEOの本質は人間中心のコンテンツづくりにある

AI検索が普及しても、SEOの中心は大きく変わりません。ユーザーが最終的に求めているのは「納得できる答え」と「次に取るべき行動が分かる情報」であり、AIが要約したとしても意思決定を下すのは人間だからです。

そのため実務では、人間中心のコンテンツをいかに担保するかが重要になります。具体的には、結論がすぐに理解できる構成、経験・検証・固有データ・事例といった一次性のある情報、そして定義・比較軸・FAQ・表・手順など読み手にもAIにも誤解されにくい明確な構造が求められます。

参照サイト:https://searchengineland.com/guide/what-is-ai-seo

AI概要と通常検索に同じURLが出ても、GSCの表示回数は1回のみ

計測面で見落とされがちなのが、AI概要と通常検索結果の両方に同じURLが表示されても、Google Search Console(GSC)では表示回数が1回として計上されるという仕様です。このため、「AI概要にも掲載されているのにインプレッションが伸びない」と感じる場面が生じやすく、露出実態とGSCの数字のあいだに認知ギャップが生まれます。

とくに今後AI概要の表示機会が増えるほど、GSCの数値だけで露出や影響を推定することは難しくなります。そのため、指名検索の動き、被リンクやSNSでの言及、問い合わせ時の認知経路、AI面での引用・言及といった周辺データを横断的に見る運用が必要です。

参照サイト:https://searchengineland.com/same-url-ai-overviews-blue-links-google-search-console-467782

ChatGPT利用者の75%は依然キーワードで検索—AI時代でもSEOは有効

AI検索が広がるなかでも、ChatGPT利用者のセッションのうち75%にキーワードベースの検索が含まれているというデータが報告されました。この結果は、AI対話型ツールが普及しても、ユーザーが依然として短い語句やキーワード中心の入力を使っていることを示しています。

したがって実務の現実解は、従来のSEOを捨てることではなく、基礎を堅持したうえでAI時代の要請を上乗せしていくことです。

たとえば、ユーザーの検索意図を丁寧に理解し、情報設計・内容の網羅性・一次性・内部リンクの最適化といった基本を固めることが前提になります。そのうえで、要点が要約されやすい定義や判断軸の整理、構造化されたFAQや表などを用いたAIに取り出されやすい情報設計、そして発信者の実体・実績・根拠が分かる提示が、これからの評価を支える重要な要素になります。

参照サイト:https://searchengineland.com/chatgpt-users-keywords-for-local-services-data-467715

GoogleはGeminiへの広告導入を当面否定—収益化より信頼と品質を優先

Geminiへの広告導入について、Googleは現時点でその計画を否定していると報じられています。

DeepMindの一部幹部やGoogleの広告担当責任者が、「現時点ではGeminiに広告を導入する予定はない、また広告に関する公表された計画もない」と明言しており、短期的にAI検索内の広告で露出を買う形の収益化戦略は行われない見通しです。

この点から読み取れるのは、GoogleがAI検索において当面は品質と信頼性の体験を優先したいという姿勢であり、広告導入による短期的な収益化よりもまずはユーザー体験を重視する戦略を取っているという可能性です。そのため、事業者にとって現実的な優先順位は広告が入るのを待つことではなく、土台づくりを進めることにあります。

具体的には、価格・提供範囲・所在地・営業時間といった基本的な事業情報の正確性・整合性を確保するとともに、顧客の信頼につながる実績や事例、第三者評価を積み重ね、自社ならではの一次情報を拡充していくことが、AI時代の露出の下支えになります。

参照サイトは以下の通り。

AI OverviewからAI Modeへ、検索体験がシームレスに切り替わるように

モバイル検索において、AI Overview内の操作を起点に、追加の質問をAI Modeでそのまま続けられる仕組みが導入されました。

これにより、「概要を見る→画面を切り替える→再度質問する」といった手間が減り、検索から理解までが会話の流れで完結しやすくなりました。

AI Mode内で疑問が解消されるケースが増えると、Webサイトへの直接訪問が減少する可能性も考えられます。一方で、AIが回答を生成する際には、信頼できる情報源として参照されるサイトの存在が不可欠です。

そのため、単に検索順位を上げることを目的とした施策だけでなく、「AIに正しく理解され、引用されやすい情報設計」が、今後より重要になっていくと考えられます。

参照サイト:https://www.suzukikenichi.com/blog/ai-mode-conversations-can-be-launched-seamlessly-from-ai-overviews/

Yahoo!がClaudeモデルを基盤とする「Yahoo Scout」を発表

Yahoo Scoutは、従来の検索結果一覧にリンクが並ぶ形ではなく、質問に対して要点をまとめた回答を出すAI検索エンジンです。

Scoutの回答エンジンは、Anthropicの「Claude」を基礎として動作します。同時に、検索内容の信頼性を高めるために、Microsoft BingのWeb情報を利用する連携も行われています。

Yahooは過去数十年にわたる検索データやユーザーデータを持っており、これをAI検索の基盤に活用することで、個々の質問に対するより文脈に沿った回答を目指しています。

また、ScoutはYahooの既存サービス(メール、ニュース、金融・スポーツ情報など)とも連携し、AI機能を横断的に活用できるプラットフォームとして展開されています。

参照サイト:https://searchengineland.com/yahoo-scout-yahoos-return-to-search-and-web-discovery-467907

Googleが入力前の行動から検索意図を予測する小型AIを研究

Googleの最新の研究では、検索窓に文字を入力する前のユーザーの行動(タップ・スクロール・画面遷移など)から、意図を推測する技術の可能性が報告されました。

Google Researchは、小型のAIモデルを使ってユーザーの行動履歴から検索意図を抽出する研究を進めており、これは「入力されたキーワードだけでなく、検索の前段階の行動そのものから意図を理解する」というものです。

従来の検索エンジンは、ユーザーがキーワードを入力した後にその語句から意図を推測していました。この研究では、スクリーン上の各操作を要約し、その連なりから意図を推定するアプローチが進んでいるようです。こうした仕組みは、検索が「言葉に答える」だけでなく、行動の文脈を先回りして支援する方向へ進む可能性を示しています。

この前提に立つと、SEOにも変化が生じる可能性があります。単にキーワードを最適化するだけでなく、ユーザーの行動と意図を前提としたコンテンツ設計や導線設計がより重要になると考えられます。

具体的には、検索前後の行動を踏まえた導線(比較から選定、検証・申込までの流れ)を迷わせない構造、公式サイト・SNS・地図等の複数接点の情報整合性、そして機械が誤解しにくい構造化データや明示的なコンテキスト設計が、これまで以上に評価される可能性があります。

参照サイト:https://searchengineland.com/google-research-small-models-intent-extraction-467960

米国で1人あたりのGoogle検索回数が約20パーセント減少との推計

米国ではGoogleのデスクトップ検索における1ユーザー当たりの検索数が約20%減少したと報じられました。

この減少は利用者そのものの減少を意味するものではなく、AIによる回答や即時結果によって「複数回にわたる追い検索」が減っていることが背景として指摘されています。

検索回数が減るということは、露出機会の母数が縮小することを意味し、同じ順位であってもクリック機会が減る局面が起こり得ます。そのため、勝ち筋は単に順位を上げることにとどまらず、1回の検索で選ばれる確率を高める設計へと広がります。

具体的には、AIで引用されやすい定義・根拠・データ整備を進めることや、検索後の判断につながる情報を明確に提示すること、さらにブランド想起やコミュニティ形成を通じた指名検索・再訪の強化に取り組むことが必要になりそうです。

検索回数が減少する時代では、PV最大化だけを目指す発想にとどまらず、限られた機会で確実に選ばれる設計がこれまで以上に重要になりそうです。

参照サイト:https://searchengineland.com/google-searches-per-us-user-fall-report-468051

結びに

2026年1月の動きから見えてきたのは、SEOの本質は変わらないものの、その評価のされ方と実務の重心が変わり始めているということです。

まず、検索は「順位を取りに行くもの」から「どう選ばれるかを設計するもの」へと変わりつつあります。今後は、「検索結果で目立つ」だけでなく、「AIの比較段階で候補に残るか」「ユーザーが最後に確認したくなる情報を持っているか」を意識した設計が求められそうです。

同時に、コンテンツの質はこれまで以上に問われます。AI検索が広がっても意思決定をするのは人間である以上、結論が明確で、根拠があり、一次情報に裏付けられたコンテンツが引き続き求められます。

これからも「良いコンテンツを磨き続ける」というSEOの本質は変わりません。ただし、AI時代を前提に、評価指標と運用の範囲を広げていく必要がありそうです。

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Kazuya Nakagawa