弊社が提供するサービスの一つに、記事制作があります。
今回はその中でもSEO記事について、私なりに考えをまとめてみました。
記事コンテンツの制作は、お客様にご依頼いただいてはじめて成立します。そして、お客様に提供するコンテンツは、良質なことが前提です。
どれも当たり前のことですが、それらを満たした意味のあるコンテンツを制作するには、私自身が「何が良質なのか」を自分の中で定義し、普段から意識しておく必要があります。
そして、SEOにおいて成果を上げるためには、Googleがウェブサイトやコンテンツの品質を評価する基準「E-E-A-T」も忘れてはいけません。
E-E-A-Tは「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の頭文字をとった言葉です。
しかし、このような前提条件を満たしたコンテンツが、全てのお客様にとって良質な記事ではないということを頭の片隅に置いておかなくてはいけません。
良い記事制作について考える
良いコンテンツを制作するとなると、Googleからの評価を気にしてしまいがちですが、それだけでは本当の意味で良い記事は執筆できないような気がしています。
そもそも、本当に価値のある内容や必要としている情報は、記事を読む人の立場によって異なるのが当たり前です。そのため、それぞれのニーズに合わせた記事を執筆する必要があります。
例えば、コンテンツを制作する前の段階で、想定される顧客のペルソナを設定し、それに当てはまるユーザーから見たニーズを調査します。ただしこれは、世間から見た良い記事を作るための調査です。
この調査の対象は、ユーザーだけではありません。私たちに記事制作を依頼したお客様の意見や意向に関しても調査し、制作の過程に取り入れる必要があります。
SEO施策においては正しい内容だとしても、お客様目線から見ると使いたくない言い回しやキーワードがあるのは当然です。さらに「私たちとしてはこう考えている」「その情報は掲載すべきではない」などの意見に関しても十分に理解する必要があります。
仮にその意向に反して執筆を押し進めても、それで出来上がるのはお客様が望むものとはかけ離れたコンテンツなのではないでしょうか。
支援を始めてすぐに理解するのは難しいですが、それでも徐々に理解できるように努めなくてはいけません。
私は、このようなお客様の意向は、良質なコンテンツを制作するうえでは欠かないことだと考えています。大前提として、サービスや商品を提供する立場にある私たちのお客様が、その内容に関して我々よりも詳しいのは当然です。
より良い成果物は私たちだけでなく、お客様の意見を理解するように努める過程で、始めて制作できるものだと思います。
本当に求められているものと、実際の効果のバランスについて
私たちが、お客様の求めているコンテンツを制作するためには、方向性や要望について詳しく理解する必要があります。
ブランディングや、雑誌記事など、方向性が明確に決まった記事を求めている場合には、それに合ったコンテンツを制作します。
一方、それと同時にお客様がSEO記事としての効果も求めているような場合に必要となるのが、独自性を取り入れるなどして出来得る限りの効果を狙った施策です。
しかし、お客様の意向を取り入れつつ、SEO記事としての効果を出すとなると、頭では理解していても実際にバランスを取るのが難しい場面も多々あります。時には掲載できる情報量が減ってしまうこともあります。
単純にその条件を満たす情報をまとめただけでは、こたつ記事と比較しても情報量の少ないコンテンツになってしまうでしょう。
成果物をそのような残念なものにしないためにも、インタビューや世間では知られていないような内容など、独自性の高い観点や情報を取り入れられると良いのですが、なかなか上手くは行きません。
このような状況で良いコンテンツを作るためには、収集した情報を編集し、そこから読み取れる意見を取り入れることが重要なのではないかと考えています。
AIが広く普及した近年では、こたつ記事とは言っても一般的な記事と情報の量が変わらないような水準のコンテンツも増えてきているのが現状です。
しかし、大きくは違わない情報だったとしても、それに編集を加えることで編集した人ならではの意見が生まれます。
この掲載内容の調査がメインではなく、編集に重きを置いた記事制作が、コンテンツに他にはない独自性を与えられると私は考えています。
AIを取り入れる最近の流れについて思うこと
近年では、記事コンテンツの制作にAIが積極的に取り入れられ、リサーチや文章の添削はもちろん、情報をまとめて文章化する作業にまで取り入れられています。
AIにより情報収集の効率が飛躍的に向上したことにより今後、記事の情報量は年々増え続けるでしょう。
すると、多くのコンテンツに当たり前に記載されているような一般的な情報はさらに量を増し、年々こたつ記事の水準が高くなって行くことが予想されます。
それと同時に、独自情報が一般的な情報として扱われるようになるまでのサイクルも短くなるかもしれません。
しかし、多くのユーザーにとっては、情報量の多い記事から目的の情報を探し出すよりも、検索キーワードを増やしてダイレクトに目的の情報にたどり着ける動線の方が便利です。
最近では、Googleで「AIによる概要」と言う形で、検索したキーワードの検索結果の概要をAIがまとめて表示する機能が実装されています。ところが、この機能だけでは求める情報が得られないようなケースも多々あります。
すると、ロングテールキーワードで検索するユーザーも増え、その重要度はさらに増し、構成するキーワードもさらに長く、より口語に近いものになって行くのではないかなと思います。
あまりいい例ではないのですが、靴紐の先端の名前を知ろうとしたとした場合「靴紐 先端 名前」のように検索していたのが「靴紐の先端の硬い部分の名前」のような感じになるのではないでしょうか。
ちなみに、靴紐の先端はアグレットと言います。
このような流れになった場合、今後はキーワードがさらに細分化し、これまでのセオリー通りのSEO戦略からメディアや主なキーワードに合わせた施策が必要になる可能性もあるはずです。