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香りを宿した和紙、揺らめく煙と。薫寿堂「WASHI INCENSE」

WASHI INCENSE

毎週日曜日は、何かと物思いに耽る時間が増えてしまいます。

来週の過ごし方をぼんやりと考えてみたり、読まずに部屋の端に放置しておいた書籍を手に取ってみたり。

このまま休みが終わってしまうのは寂しい。何か休みらしいことをとしないといけない気がするけれど、なんだか気が進まない。生きていればそんな時だってあります。

でも、どうせ何も進まないならせめて今だけは穏やかな時間を過ごそう。そう割り切ってしまうのが一番です。

薫寿堂「WASHI INCENSE」

薫寿堂「WASHI INCENSE」

瀬戸内の温暖な気候と香りの文化が息づく街、淡路島。

「WASHI INCENSE」は、お香の名産地としても名高い淡路島に拠点を構える薫寿堂が、伝統の技と特許技術の融合により生み出した新しい「和紙」のお香です。

一般的なスティックタイプのお香に慣れている私からすると、少し不思議な感覚でした。

小さなパッケージの中には、切り離して使える30回分のインセンスペーパーと、お香を挟んで建てるためのクリップが入っています。

WASHI INCENSEのパッケージの中身

印字された可愛らしいメッセージが日曜の私にささやかな元気をくれる

「Have a Lovely Day!」と元気づけてもらえました。もうすぐ日も暮れてしまいますが、お気遣い痛み入ります。他にも、「Sweet Dreams」「All the best」「Deep Breath」など、普段はちょっと気恥ずかしくて言いづらい優しい言葉たちが印字されています。

早速、着火してみました。

着火したWASHI INCENSE

もくもくとした煙からは気分をスイッチするような優しい芳香が広がる

サンダルウッド、シダーウッド、パチョリを中心としたエキゾチックでありながらも、どこか日本らしい湿り気を残した優しい煙が部屋いっぱいに満たされていきます。

以前、香りが伝える景色の記事でも取り上げましたが、ポプリが「置く」香りなら、お香は「満たす」香りだと思います。

からっぽの空間が、柔らかく薄い皮膜のような優しい煙で満たされていく。

その様子を眺めるだけで、強張った心が徐々に弛緩していくのがわかります。

WASHI INCENSEの揺らぐ煙

いつもより時間がゆっくりと過ぎていく

5分にも満たない、とても短い時間。

なのにいつもより少しだけ時間の流れがゆっくりと過ぎているような、そんな感覚に陥ってしまいます。忙しない平日と、日曜の午後に揺らぐ煙の対比が、そういった感覚を私の中に惹起させるのでしょうか。

燃え尽きそうなWASIH INCENSE

残りがあとわずかになると、少しだけ寂しい気持ちになる

カーテン越しに差し込む夕日も、心なしか柔らかく、和紙の香りと一緒に静かな夕暮れに溶けていきます。

当たり前すぎて気にもしていなかった自室から見える黄昏時の美しさにも気付かされました。

儚いひとときの中にある、悠久の時間。

矛盾しているかもしれませんが、薫寿堂「WASHI INCENSE」はそんな静謐な時間を提供してくれました。

この瞬間を糧に、明日からまた一日一日をしっかりとこなしていけますように。

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Ryota Kobayashi