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飾らない佇まい。木村硝子店のグラスが好き

自室で冷たい飲み物を口にするときは、透明で薄いグラスを手に取ってしまいます。

フォルムとか、液体を通して見える向こう側の景色とか、理由は色々とありますが、総じて「何となく好きだから」。

飲み物の注がれたグラスをぼんやりと眺めている時間が幸せなのです。

木村硝子店のグラス(サイズ近いで2つ)

私が愛用しているのは、60年以上に渡り業務用のテーブルウェアを提供し続ける老舗、木村硝子店のグラス。

どこまでもオーソドックスで、日常に寄り添うようなプロダクトがとにかく素敵なブランドです。

ただ日常の中で普通に使ってもらうことだけに全てを捧げているかのようなミニマルなデザインが、逆説的に木村硝子店の個性を表現しているように思えます。

木村硝子店のグラスにジンを注ぐ

お気に入りのジンを注いでみました。

薄く繊細なグラスを手に持つと、飲み物の冷たさがじんわりと伝わってきます。

冬場には少しだけ寒々しい見た目ですが、温かい部屋の中で冷たい飲み物を口にするのも悪くありません。暖められた空気でぼんやりとしていた思考が、キリッと澄んでいくのがよくわかります。

さて、今度は何を注ごうかな。

コーヒーの入った木村硝子店のグラス

透明なグラスとブラックコーヒーのコントラストも素敵です。

飲み物の温度で冷え切ったグラスの淵が口に当たる瞬間がたまらなく好きです。

薄造りのグラスが、冷たい飲み物を引き立ててくれます。

飲み物を注いだ後、グラスに浮かぶ小さな水滴を眺めているうちに、忙しない日常が一瞬だけ静止するような不思議な心地よさを覚えます。

結露ができても美しい、木村硝子店のグラス

うっすらと出てくる結露もまた凛々しい。

実はこのグラス、熱には弱いため熱々のコーヒーやお茶は注げません。

でもそんな脆い一面がまた愛おしかったり。流行りの温冷対応の万能タンブラーも好きですが、これくらいの普通さが自分の身の丈にあっていて心地良い。

とても薄いグラスなので、洗う時も少しだけ気を遣います。過去にはうっかり割ってしまったこともあるのですが、そんなありふれた日常まで織り込み済みな気がしてなりません。

汚れたり、割れたりしたら、またぴかぴかのグラスに買い替える。その繰り返し。

木村硝子店のグラスとジャパニーズウイスキー

やはりお酒を注ぎたくなりますが、勤務時間中なので我慢。

どんな飲み物も、どんな季節も、どんな瞬間も受け入れてくれる。

結局、飾らない美しさと愛嬌が一番なのかもしれません。

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Ryota Kobayashi