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業務への向き合い方を振り返る – 2025年11月

なんだかんだで、気づけばもう2025年最後の月になってしまいました。

毎月続けているこの振り返り企画ですが、「もう〇月か…」と同じことを言い続けている気もします。それでも月ごとに景色が変わり、立ち止まって言葉にしてみると、毎回意外な発見があるものだったりします。

さて今回は、先月2025年11月の振り返りを。

組織としての“強さ”と“課題”の輪郭がこれまで以上にはっきりと見えた、そんな月だったと感じています。

実感できた組織の強み

これまでは「実感できた成長」という書き方をしてきましたが、今回あえて“組織の強み”という言葉を選びました。

11月に起きた出来事は、単なる成長の瞬間というより、会社としての骨格がどこにあるのかを明確に示すものだったと思っているからです。

その象徴となったのが、社員である小林と中川の動きです。タイプも得意領域も違う二人ですが、彼らの仕事ぶりを見て「この組織はこういう力があるんだな…」と強く理解できました。

1. 超短納期・高難度案件を完遂した小林のコミットメント

11月初頭、ある官公庁様の案件であるお客様から緊急のご相談をいただきました。様々な事情が重なりに重なったこともあり、極めてタイトな納期での完遂が必須という仕事でした。

さらに、蓋を開けると極めて高いセキュリティ基準、大量のコンテンツ、さらにスクラッチ開発では納期的にも予算的にも現実的ではないという、なかなかの難条件が揃っていました。

最終的に選んだのは、とあるSaaSツールを使った構築です。しかし、弊社はその手法での制作経験に明るくありませんでした。

そんな状況かつ本当に1日のミスも許されない緊張感の中、小林は不確定要素だらけの環境で調査・検証・構築を一気に乗り切り、期限に間に合わせてくれました。

それも、既存案件を抱えた状態での話です。

あの判断力、吸収力、そして最後までやり切る力はシンプルに、「すごいな」としか言いようがありませんでした。

結果、お客様から感謝の言葉を頂戴でき、会社としての成長を感じました。

2. 激動の裏側で着実に案件を支え続けた中川の堅牢さ

小林と私(松岡)がバタバタと駆け回っていた11月。

正直、「もう無理かもしれない…」と思った瞬間も何度もありました。

そんな中で、静かに、しかし確実に案件を進め続けていたのが中川です。

分析、記事制作、提案資料作成、打ち合わせ、施策立案。

これらすべてを淡々と、高い精度で積み重ねていた姿には、本当に救われました。ほぼ一人で幅広い領域を支え、揺らがず進み続けるその安定感。

渋いです。

振り返れば、会社立ち上げの頃からずっとそうでした。

制作チームが前に進めるのは、彼が現場を支え続けてくれているからこそ。11月は改めてその事実を強く実感した月でもあります。

次の一歩に向けて

11月は、小林・中川の動きに本当に助けられた月でした。

ただそれと同時に「今後の組織をどう整えていくか」という問いが、避けられない形で目の前に現れた月でもあります。

良い意味での“警告”であり、それは前進のタイミングととらえました。

ここからの一手が、2026年以降の組織運営に直結すると感じています。

1. チームで戦うということ

今回の11月は、「個々の力が強い」という組織の良さと同時に、“個人戦になりがち”という構造的な弱点も浮き彫りになった月でした。

プロフェッショナルとして自立して動く姿勢は頼もしいものですが、しかし裏を返せば「1人で抱え込む」「1人で戦う」という事態が起きやすいということでもあります。

特に今回のような高難度案件では、その孤立が致命的になりかねません。

  • お客様からの相談に対してチーム全体で向き合えているか
  • ある案件の課題を別のメンバーがキャッチアップできる状態か
  • “誰かの戦い”を“チームの戦い”に転換できているか

これらは組織が長期的に強くなる上で避けて通れないポイントだと感じました。

11月を経験して思ったのは、多くの問題はコミュニケーションの不足から生まれるのではないか?ということです。

困っているのか、限界が近いのか、あと1時間欲しいのか。

そうした小さなシグナルを拾い合える状態がチーム戦の前提になるはずです。

だからこそ「情報共有の質」と「相談しやすさ」を、来年に向けた組織改善の軸の一部として再設計していこうと思っています。

2. 記事制作をより強める

弊社のルーツは「記事制作」です。

WEB制作の依頼が増えた今でも、会社の屋台骨を支えてくれていたのはこの記事制作事業でした。

ただ、人数が少ないという構造上、WEB制作が忙しくなるほど、記事制作関連業務が中川に集中し、過負荷になってしまう(逆も然り)という問題がどうしても起こります。

これは短期的にも、そして長期的にも健全とは言えません。

記事制作は単なる作業ではなく、調査、分析、情報構造化、執筆、品質チェックなどなど多段階のプロセスで成り立つ「高度な編集作業」です。

これらを少人数で続けるには、どうしても限界があります。だからこそ、会社全体として記事制作の重要度を改めて再認識し、フローの最適化や分担設計を進めていく必要があると感じています。

また、キャッシュフローの観点でも記事制作は極めて重要です。

WEB制作は納期までのタイムラグが大きく、売上計上が後ろ倒しになりがちなため、どうしてもキャッシュフローが不安定になりがちです。

その点、記事制作は継続的で、かつ比較的早いサイクルで価値を提供できるため、経営を安定させるエンジンとして欠かせません。

つまり私たちにとっては「記事制作という土台があるから、WEB制作で攻められる」という構図がより正確なのだと思います。

安定した基盤があるからこそ、制作会社として品質を追求できる。この前提を組織全体で改めて共有したいと考えています。

2025年12月の動き

先月の記事でも触れましたが、12月は弊社にとって「経営方針をしっかり作り込み、共有する」ための大切な月です。

11月に見えた課題や強みを踏まえ、来年以降の基盤をどう強化していくのか。その方向性を全員で揃えるタイミングになるはずです。

さらに、組織としての土台をより強固にするために、どのようなアクションを取るべきか、個々の役割をどう再設計するか。そこも丁寧に整理していく予定です。

すでに中川・小林とはいくつか話を進めていますが、小さくても意味のある取り組みを複数スタートしていくつもりです。

少し動き出すのが遅かった気もしますが、それもまた弊社らしさと捉えています。

大事なのは、「これからどんな組織として成長していくのか」を全員で選び直すことだと感じています。

12月はその第一歩として会社がもう一度ひとつにまとまっていく、そんな月にしたいですね。

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Kentaro Matsuoka