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  • Ryota Kobayashi

業務時間の10%は「便利屋」として

仕事に追われているとき、ふと誰かの小さなタスクを手伝うと、意外にも自分の頭がすっきりすることがあります。

机の上を片付けるように、頭の中のキャッシュも掃除される。そんな感覚です。

ベタかもしれませんが、業務時間の10%を「便利屋」として過ごすことを意識してみるのが意外と自分に合っているようでした。

頼まれごとに応じるのは一見、寄り道のようだけれど、その寄り道が不思議と自分を前に進めてくれるようです。

業務時間の10%は便利屋として動くこと

仕事をしていると、頭が詰まっているなと感じる瞬間がよくあります。

ある程度ボリュームのある一つのタスクに没頭していると、私はよく焦げ付くような感覚に襲われるのです。

やるべきタスクの優先順位を並べ替えても、結局どれも進まない。机の上が散らかっていると集中できないように、思考の中もごちゃごちゃして整理がつかなくなるのです。

そんなとき、ふと他の人に呼び止められて「これ、ちょっと確認してもらえる?」と声をかけられることがあります。

自分の予定にはなかった仕事だけれども、短い時間で済むことなら手を動かしてしまう。すると不思議なことに、さっきまでパンパンに感じていた頭が、少しだけ軽くなるのです。(※もちろんタイミング次第では焦ることも当然あります)

キャッシュを掃除する感覚

同じ作業を長く続けていると、頭の中に思考のゴミのようなものが溜まっていきます。気づけばその塵に邪魔されて、まっすぐ考えられなくなる。

それをクリアにする方法は人によって違うと思います。

コーヒーを淹れに行く人もいれば、散歩をする人もいる。私はコーヒーも散歩も大好きですが、最近はほんの少し誰かの役に立つことでキャッシュが消えていくことに気がつきました。

自分の新しい一面の発見です。捨てたもんではありませんね。

ほんの5分や10分でも良いので他の人のタスクのお手伝いをすること。これが意外と効いてくるのです。便利屋でいる時間は自分のためでもあります。

思わぬリフレッシュ

人のタスクを手伝うことは、休憩や雑談ともちょっと違います。

「誰かのために役立った」という手応えがある分、気持ちの切り替えがスムーズになるのだと思います。

自分の課題に行き詰まっていたとしても、別の人の仕事に触れるとまったく違う視点を得られることがあります。「あ、こうすればいいのかもしれない」と、自分の問題解決の糸口に気づくことすらある。

ただ机に突っ伏して休むよりも、短い便利屋の時間の方がよっぽど頭が休まることがある。

そんな体験を何度もしているうちに、私はあえて業務時間の一部を「便利屋の時間」として残しておくようにしたいなと思うようになりました。

寄り道は巡り巡って

便利屋の時間は、他人のためのように見えて、実は自分のためでもあります。

少しだけ寄り道をしたおかげで、また前に進むための力が戻ってくる。

「10%を便利屋にあてることで、残りの90%を健やかに進める」

それが、ここ最近の私のささやかな工夫です。

人に頼られることは悪いことではありません。けれどそれ以上に、自分の頭と心を軽くするための仕掛けでもある。そんな便利屋の10%を、これからも大切にしていきたいと思っています。

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Ryota Kobayashi